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ブロイヤーからの手紙(その1)
1967年6月26日
ヨシへ
ヨーロッパ旅行から帰ったら、あなたの作品集が机の上にありました。非常に印象的であなたの仕事が如何に生き生きとして力強いかを知ってうれしく思います。
又、建築文化に載った“マルセル・ブロイヤーの近作”の号へのご助力にも感謝します。あなたの古い友達のためにつくして下さってありがとう。
7月の終わりから8月11日頃までの間に日本に2週間滞在する予定です。その際是非あなたにお会いしたいと思います。もっとも前回日本に行った時のようにあなたに時間を使わせたくはありません。ホテルオークラに泊まって最初の間は色々と忙しく、終わりにかけては丹下さんと協力しているニューヨークのフラッシングメド―スポーツパークのことで時間をとられると思います。
使える時間が不規則と思うのですが、仕事の合間に私が日本で見るべきものについて助言をして下さい。
ライコ
Marcel Breuer
ブロイヤーからの手紙(その2)
ニューヨーク 1956年7月31日
ヨシへ
今英文版新建築を受取ったところです。
仲々立派な雑誌で内容も面白そうです。どうも有難う。
ところで元気ですか? 仕事の方はどんな具合ですか? この雑誌の編集もあるし大変忙しいと思います。
ユネスコビルも立ちあがって大体どんな外観になるかよく見えてきたと思います。ロッテルダムのビジェンコフデパートメントも同様です。君も知っているあの修道院もクリスマスにオープンして修道士たちもとても気に入っている様子です。すぐに教会も建てるといいのですが、まだ迷っている様子です。
今、大学の計画が2つあって、ハンターカレッジの図書館と管理棟、教室棟とニューヨーク大学の工学センターです。プリンストンの高等研究所の住宅設計は目下建設中で新しい図書館もはじめたところです。又、リッチフィールドのガガーリン邸、デュラスのアルワース邸、ボルティモアのカーステン邸を終えたばかりです。幸せなことにもう一軒だけ目下建設中です。ライの鉄道の新しい駅舎を目下設計中でコネティカット州のトリントンの高校の計画も始めたところです。
8月末には事務所を移します。新しい住所は201 East 57th st. NewYork22です。
目下のところはこんな具合です。なお、私に関して、日本と関係のあるあなたの計画(本の出版とか、旅行とか)は今でも大へん魅力的だと思っています。
御大事に。
マルセル・ブロイヤー
日本滞在中の写真→
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ブロイヤーからの手紙(その1) |
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ブロイヤーからの手紙(その2) |
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